はじめに
Account Engagement(旧:Pardot)には、様々なアクションを自動化してくれる機能がいくつか備わっています。
代表的なものは、オートメーションルール・セグメンテーションルール・ダイナミックリストです。
プロスペクトのフォローやユーザーへの通知などを自動で行ってくれるという点で、3つはとてもよく似ていますが、それぞれ異なった特徴があります。
それぞれのツールの特性を理解して、施策に活用できるようにしましょう。
■オートメーションルールとセグメンテーションルール
まずは、オートメーションルールとセグメンテーションルールの違いについてご紹介します。
オートメーションルールは、常時プロスペクトの情報を参照し、条件に一致したプロスペクトが発生した際、その都度プロスペクトに対してアクションを実行する機能です。
一度きりの適用はもちろん、繰り返し利用することもできます。
例えば、プロスペクトのスコアが一定の値を超えた場合、割り当てられたユーザーに通知をしたいような場合、オートメーションルールを利用するのが良いでしょう。
オートメーションルールは、「マーケティング」→「オートメーション」→「オートメーションルール」の順に選択すると、設定画面に行くことができます。
「+オートメーションルールを追加」をクリックすることで、新しくルールを追加することができます。
ルール名やフォルダは任意のものを設定し、ルールを設定します。
先ほど挙げた例のように、スコアが一定の値を超えたらユーザーに通知されるように設定をしました。
必要に応じて、ルールを繰り返すかどうかを決めて、保存をすればルールの追加は完了です。
一方、セグメンテーションルールとは、ルール実行時点でのプロスペクトの情報を参照し、指定したアクションを実行する機能です。
自動で条件に一致したプロスペクトを抽出してくれるという点では、オートメーションルールと同じですが、セグメンテーションルールは1回きりしか実行されません。
そのため、先ほど例に挙げたようなスコアを参照してユーザーに通知するようなケースには不向きです。
今の時点で首都圏に所属しているプロスペクトに対して、1回限りのメールを送りたい場合を考えてみます。
その際は、セグメンテーションルールで条件を指定し、リストに追加するような設定をするのが良いでしょう。
セグメンテーションルールは、「マーケティング」→「セグメンテーション」→「ルール」の順に進むと作成画面に移動できます。
「+セグメンテーションルールを追加」をクリックすると、新しくルールを追加することができます。
ルール名は任意のものを設定し、ルールとアクションを設定します。
先ほど例を挙げた通り、首都圏に所属しているプロスペクトを抽出したいので、一都三県いずれかに該当するプロスペクトの条件を設定します。
抽出したプロスペクトを追加するためのリストはあらかじめ作成しておきましょう。
ルールとアクションが設定出来たら、必要に応じてルールのプレビューを行います。
プレビューを行うことで、どれくらいのプロスペクトが該当するのかどうか、あらかじめ把握することができます。
ルールを実行すると、条件に一致するプロスペクトが追加されたリストが作成されます。
もちろん、オートメーションルールでも同じようにリストを作成することはできます。
しかし、今回は1回限りのメールを送りたいだけなので、リストの情報を更新し続ける必要はありません。そのため、セグメンテーションルールを利用した方が、簡単に済ませられるでしょう。
■ダイナミックリスト
ダイナミックリストとは、任意で設定したルールに基づき、プロスペクトを自動でリストに追加・削除してくれる機能です。
オートメーションルールやセグメンテーションルールと同じく自動化ツールの一種ですが、リストへの追加・削除しかできません。条件は任意で設定できますが、オートメーションルールのように、任意のアクションを指定することはできません。
ただし、オートメーションルールやセグメンテーションルールで、アクションを「リストへ追加」と指定した場合、プロスペクトの追加は自動でされますが、削除は手動で行う必要があります。ダイナミックリストは、条件に一致しなくなったプロスペクトを自動でリストから削除をしてくれるので、継続的に使用する必要があるようなリストを作成したい時に活用するのが良いでしょう。
ダイナミックリストに関しては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
■完了アクション
自動化ツールとは若干異なりますが、Account Engagementには「完了アクション」という機能が備わっています。
完了アクションとは、Account Engagement作成したフォーム(フォームハンドラー)や送信したメールで、フォーム送信やリンククリックなどの行動をしたプロスペクトに対して設定したアクションを自動で実行するという機能です。
オートメーションルール等と異なり、1つの独立したツール・機能ではなく、フォーム機能やメール送信等の特定のアクティビティに対してのみ設定できる自動化機能です。 完了アクションが設定・実行できるアクティビティは以下の通りです。
- フォーム
- フォームハンドラー
- ファイル
- カスタムリダイレクト
- メール
- ページアクション
例えば、プロスペクトからフォーム送信があった際、御礼メールを自動で送り、かつユーザーに通知したいというような場合、オートメーションルール等を使って設定することもできますが、完了アクションを利用すれば簡単に設定をすることができます。
フォーム項目やデザインなどを設定した後、完了アクションを設定できるようになります。
完了アクションは1つのアセットに対して15個まで設定できるので、自動返信や通知の他、タグの追加・キャンペーンの追加も一緒に設定をしました。
このように、基準となるアクティビティが先ほど挙げたリストに該当するのであれば、オートメーションルール等を作るより完了アクションを利用した方が手間も時間もかからないでしょう。
しかし、完了アクションはオートメーションルールと異なり、過去に遡ったりすることはできません。また、特定のアクティビティでしか設定が出来ないので、例えばプロスペクトの項目などが基準になるような条件は設定が出来ません。
■活用例
それぞれの機能の特徴が理解できたら、どのような場面で活用するのが良いのか考えてみましょう。
・オートメーションルール
オートメーションルールは、常時プロスペクトの情報を参照し、条件に一致したプロスペクトが発生した際、その都度プロスペクトに対してアクションを実行してくれる機能です。
ルールを指定した期間で繰り返すこともできます。
その特性を活かして、30日間アクティビティがないプロスペクトを検知して通知するルールを設定してみます。
今回アクションに「割り当てられたユーザーへ通知」のみを指定しましたが、フォローのメールを送ったり分類上のタグをつけたり、スコアを減算したりする設定も良いでしょう。
・セグメンテーションルール
セグメンテーションルールとは、ルール実行時点でのプロスペクトの情報を参照し、指定したアクションを実行する機能です。
ルールの繰り返しはできないので、継続が必要な施策にはあまり向いていません。
1回限りのメール送信や、現時点での情報で分類タグを付けるというような場面で使うのが良いでしょう。
今の時点でスコアが50を下回っているプロスペクトに、分類のタグを付ける設定をしました。
接点はできたものの上手くナーチャリングできていないプロスペクトがどれくらいいるかどうか、見極めることができます。
・ダイナミックリスト
ダイナミックリストとは、任意で設定したルールに基づき、プロスペクトを自動でリストに追加・削除してくれる機能です。
リストへの追加・削除を自動化してくれるのみですので、それ以外のアクションは指定できません。しかし、セグメンテーションルールと違い、継続して利用することができます。
定期・不定期問わず、更新されるプロスペクトの項目が基準になるようなリストが必要な時に活用するのが良いでしょう。
例えば、SalesForce内の「取引先種別」がパートナーとなっているプロスペクトを抽出するルールを作成してみましょう。
SalesForce内で取引先種別が更新され「パートナー」以外となると、リストからは除外されるようになります。
ここで作成されたリストは、Engagement Studioでシナリオの起点としたり、また除外リストとしても利用することができます。
■まとめ
Account Engagement(旧:Pardot)には、ユーザーの負担を軽くしてくれる自動化ツール・機能が備わっています。
代表的なものはオートメーションルール・セグメンテーションルール・ダイナミックリストの3種類です。
1つの独立したツールではありませんが、完了アクションも自動化機能の1つです。
それぞれできること・できないことがあるので、それぞれの特長を理解して施策に合わせて使い分け、必要に応じて組み合わせて使うことが必要です。
相談は無料です。インサイドセールス・デジタルセールスに関すること、何でもご相談できますので、是非お気軽にお申し込みください。
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