はじめに
Account Engagement(旧:Pardot)におけるリストとは、プロスペクトメールを送信したり、Engagement Studio(Engagementプログラム)にデータを供給したりするために活用する、プロスペクトのグループのようなものを指します。
そして、Account Angagementにはリストが2種類あり、それぞれスタティックリストとダイナミックリストと呼ばれています。
それぞれのリストには異なる特徴があり、出来ること・出来ないことも存在します。
2つのリストの特性を理解して、施策によって使い分けができるようにしましょう。
スタティックリストとは
スタティックリストとは、手動やオートメーションルール等によってプロスペクトを追加する静的なリストです。追加と同様に削除も自動では行われず、手動もしくはオートメーションルール等で行う必要があります。
SalesForce(Sales Cloud)との連携が可能で、SalesForce上のリード情報も追加ができます。
ダイナミックリストとは
ダイナミックリストは、任意で設定したルールに基づき、プロスペクトが自動で追加・削除される動的なリストです。
ルール(条件)と一致したプロスペクトを自動で抽出しリストに追加され、逆に、条件に一致しなくなったプロスペクトはリストから除外されていきます。
スタティックリストとは異なり、手動による追加や削除は出来ません。
同様に、SalesForceとの連携もできません。
2つのリストの違い・共通点まとめ
スタティックリスト | ダイナミックリスト | |
プロスペクトの追加 | ・手動 ・オートメーションルール等 ・CSVインポート | 設定したルールによる自動追加 |
プロスペクトの削除 | 手動 | 自動 |
手動によるリストの更新 | 可 | 不可 |
SalesForce(CRM)との連携 | 可(参照可能) | 不可 |
スタティックリスト・ダイナミックリスト両方とも、リストメール・Engagementプログラムの受信者リストまたは除外リストとして使用することができます。
一度、スタティックリストとして作成したリストを、後からダイナミックリストに変更することはできません。同様に、ダイナミックリストからスタティックリストへ変更することもできなくなっています。
使用例
2つのリストの特長が分かったところで、それぞれどのように使用するのが良いのか例を考えてみましょう。
スタティックリストは、自動では更新されず手動やルールによる追加しか出来ないリストです。
フォームを通過したプロスペクトや、定期的なメールマガジンの送信者用を溜めておくリストとして活用するのが良いでしょう。
まずは、特定のフォームを通過したプロスペクトを溜めるリストを作成してみましょう。
リストは、「マーケティング」→「セグメンテーション」→「リスト」の順に選択することで、作成画面に移動できます。

移動した先の「+リストを追加」をクリックし、必要な情報を入力します。

名前やフォルダーは管理しやすいものを設定しましょう。
「ダイナミックリスト」のチェックボックスにチェックを入れると、作成されるリストはダイナミックリストになります。
まずはスタティックリストを作成したいので、チェックは入れずに「リストを作成」をクリックします。
これでリストの準備は出来ました。
あとは、オートメーションルール機能を使って、対象となるフォームを通過したらリストに追加するというアクションを設定すれば、完了です。
ダイナミックリストを使用しても、フォームを通過したプロスペクトを追加していくリストは作成できます。

ただし、「フォームを正常に完了しなくなった」という条件はあまり考えられないので、条件を満たさなくなったプロスペクトを自動で除外するというダイナミックリストの利点をあまり活かすことができません。
オートメーションルールの設定の手間はありますが、スタティックリストを利用するのが良いでしょう。
では、ダイナミックリストはどのような場合に利用するのが良いでしょうか。
ダイナミックリストは、条件に一致したプロスペクトを抽出し自動で追加して、一致しなくなったプロスペクトは除外してくれるリストです。
定期・不定期問わず、更新されるプロスペクトの項目が基準になるようなリストが良いでしょう。
例えば、プロスペクトの居住地(都道府県)によって内容の違うキャンペーンのメールを送る例を考えてみます。

都道府県が一都三県のいずれかに一致するというルールを作成してみました。
同じように地方別のルールを作成すれば、エリア毎のリストが自動で作られます。
あとは、作成したリストを元にシナリオを組めば、異なる内容のメールが送られるようになります。
プロスペクトの都道府県情報に変更があれば自動で追加と除外が行われるので、また違う内容のメールを送る際にも利用できるようになります。
まとめ
Account Engagementには2種類のリストがあります。
スタティックリストは静的なリストで、ダイナミックリストは動的なリストです。
それぞれ特長が異なるので、取り組みたい施策に合わせてリストを選択しましょう。
Salesforce、Account Engagement(Pardot)の導入・運用についてお困りの方は、株式会社シーサイドにお気軽にご相談ください。
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