HubSpotのAIでマーケティングはどう変わる?リード獲得・育成・分析への活用方法

HubSpotのAIは、ブログやメールの文章を作るだけの機能ではありません。コンテンツ制作、セグメント作成、リードスコアリング、ワークフロー構築、レポート作成、キャンペーン分析など、リード獲得から育成、効果測定までの幅広い業務を支援します。

ただし、AI機能を有効にするだけでリード数や商談数が増えるわけではありません。ターゲット、訴求、評価基準、営業へ引き渡す条件は、自社で設計する必要があります。

本記事では、HubSpotのAIによってマーケティング業務がどう変わるのかを、リード獲得・リード育成・分析の3つに分けて解説します。

目次

HubSpotのAIはマーケティング業務をどう変えるのか

HubSpotのAIは、マーケティング担当者の業務をすべて代行するものではありません。情報整理、コンテンツの下書き、設定作業、分析結果の要約を支援し、担当者が企画や判断に使える時間を増やします。

BreezeはHubSpotに組み込まれたAI機能群

HubSpotのAI機能群は「Breeze」と呼ばれます。Breezeは、コンテンツ作成、情報検索、タスク実行、ワークフローの自動化などをHubSpot上で支援します。

HubSpotに蓄積したCRMデータやマーケティング活動の情報と組み合わせ、対象の絞り込みからコンテンツ作成、配信後の確認までを同じ環境で進められます。ただし、必要な情報が保存されていなければ、分類や分析には活用できません。

担当者の役割は作業から設計・確認へ移る

AIを活用すると、担当者の役割は、「作業を一から行うこと」から、「目的を設定して出力内容を確認すること」へ移ります。

コンテンツ制作では下書きを調整し、セグメントではフィルター案を確認します。分析では要約を入口として、変化の大きい数値や原因を調べます。
ただし、目的、ターゲット、評価基準、公開可否を決める役割は担当者のまま変わりはありません。

HubSpotのAIをリード獲得に活用する方法

リード獲得では、Webサイト、ブログ、ランディングページ、メールなど、複数のコンテンツを継続的に制作する必要があります。
HubSpotのAIは、下書きや再利用を支援し、施策の準備にかかる時間を短縮します。

コンテンツの作成と改善を支援する

HubSpotでは、Breezeを使ってWebサイトページ、ランディングページ、ブログ記事、ナレッジベース記事、CTA、マーケティングメールなどの文章を生成・調整できます。新しい文章の作成だけでなく、既存文章の書き換え、短縮、拡張、トーン変更にも利用できます。

構成案、見出し、CTAの説明文、メール件名などの初案をAIで用意すれば、担当者は表現や導線の調整に注力できます。
ただし、公開前に事実関係を確認し、自社のブランドや読者の知識水準に合わせて修正が必要です。

既存コンテンツを複数のチャネルへ展開する

HubSpotのコンテンツリミックスを使うと、既存のコンテンツをブログ記事、ソーシャル投稿、画像、SMSなどの形式へ展開できます。
2026年7月時点ではベータ版で、基本的な利用対象はContent Hub Professional・Enterpriseです。ソーシャル投稿やSMSを生成する場合は追加の契約条件があります。

1つの記事を複数のチャネルへ展開する場合も、文章をそのまま複製せず、各チャネルの役割に合わせて内容とCTAを調整します。制作本数ではなく、フォーム送信や資料請求につながる導線を確認することが重要です。

購買意向を示す企業を把握する

HubSpotのバイヤーインテントでは、Webサイトを訪れた企業を確認し、ページパス、訪問数、訪問者数、期間などを使ってインテント条件を設定できます。対象企業はCRMや静的セグメントへ追加したり、ワークフローへ登録したりできます。利用にはHubSpotトラッキングコードの設置が必要です。

匿名訪問者をすべて個人単位で特定する機能ではありません。企業単位の関心を把握し、施策や営業対応の優先順位を考えるために利用します。

HubSpotクレジットは、保存済みビューから新しい会社をCRMへ自動追加する処理などで消費します。インテントシグナルを確認するだけで毎回消費するわけではありません。

HubSpotのAIをリード育成に活用する方法

獲得したリードを一律に扱うと、関心や検討状況に合わない情報を届けてしまいます。HubSpotのAIをセグメント、リードスコアリング、コンテンツ、ワークフローに活用することで、育成対象の分類や優先順位付けを進めやすくなります。

自然言語からセグメント条件を作成する

リード育成では、業種、役職、問い合わせ内容、メール開封、ページ閲覧などをもとに配信対象を分ける必要があります。しかし、複数のAND条件やOR条件を組み合わせる設定は、HubSpotに慣れていない担当者には負担となりがちです。

HubSpotでは、「過去30日以内にメールを開封したコンタクト」のように対象者を自然言語で入力し、AIにセグメントのフィルター案を生成させられます。生成後はプレビューを確認し、必要に応じて条件を修正します。

AIはフィルター作成を支援しますが、育成対象を自動的に決めるものではありません。対象件数と具体的なレコードは、人の手で確認をしてから使用するようにしましょう。

AIリードスコアリングで優先順位を付ける

リードスコアリングは、コンタクトや会社などに点数を付け、優先的に対応する対象を整理する仕組みです。HubSpotでは、Webサイト訪問やメール反応などを評価するエンゲージメントスコアと、役職や会社規模などを評価する適合スコアを作成できます。

作成したスコアは、セグメント、ワークフロー、レポートなどで利用できます。リードスコアリングはMarketing HubまたはSales HubのProfessional・Enterpriseが対象で、AIを使ったコンタクトのエンゲージメントスコアまたは適合スコアの作成はMarketing Hub Enterpriseで利用できます。

こうしたスコアは受注を確定的に予測するものではなく、対応を優先すべき対象を絞るために使うのがお勧めです。
MQLや営業への引き渡し基準を部門間で共有し、成果を確認しながら配点を見直しましょう。

セグメントごとにコンテンツを調整する

すべてのリードへ同じ情報を送ると、課題や検討段階に合わず、反応を得にくくなります。
HubSpotでは、コンタクトセグメントをもとに、Breezeで対象者に合わせたコンテンツを生成できます。

情報収集段階には基礎情報を届け、製品ページを閲覧した層には比較項目や導入条件を伝えるなど、セグメントごとに訴求を変えます。
しかし、業種や役職などのCRMデータが不足していれば、適切な分類はできないという点には注意が必要です。

ワークフローの作成と運用を支援する

リード育成では、資料をダウンロードしたコンタクトへのメール送信、一定条件を満たしたリードの担当者通知、反応がない対象への再アプローチなどをワークフローで自動化できます。

Breeze Assistantに実現したい処理を伝えると、登録トリガーや遅延を含むアクションから新しいワークフローを作成できます。担当者が内容を確認してから有効化しましょう。

登録対象、実行時期、停止条件は自社で決めます。公開前にテストレコードで挙動を確認し、運用後は商談化率や配信停止率も含めて条件と配信内容を見直します。

HubSpotのAIを分析と改善に活用する方法

マーケティング施策では、データを蓄積するだけでなく、結果を読み取り、次の施策へ反映する必要があります。
HubSpotのAIは、レポート作成や分析結果の要約を支援し、確認すべきポイントを見つけやすくします。

自然言語からレポートのたたき台を作成する

HubSpotでは、質問や指示を入力し、推奨フィルターやデータの視覚化を含む単一オブジェクトレポートのテンプレートを生成できます。生成後は内容を編集し、ダッシュボードへ追加することもできます。
対象は各HubのProfessional・Enterpriseで、複数オブジェクトを使ったAIレポート作成には対応していません。

レポートを生成した後は、対象期間、集計基準、除外条件、ライフサイクルステージ、重複の扱いを確認します。「今月獲得したリード」でも、作成日とステージ変更日のどちらを基準にするかで数値は変わるため、注意が必要です。

分析から改善までをAIだけで完結させない

施策結果には、競合、市場環境、営業対応、価格変更など、HubSpotに保存されていない要因も影響します。
AIが提示した傾向だけで施策を変更せず、対象データと背景を確認し、適切な改善策を見つけていくようにしましょう。

HubSpotのAIをマーケティング成果につなげるために必要なこと

HubSpotのAI機能を導入しても、利用目的やデータ管理が曖昧なままでは、業務効率化や施策改善にはつながりません。AIを使う作業だけでなく、その前後の業務設計を整える必要があります。

AIを使う目的と評価指標を決める

最初に、どの業務を改善するためにAIを使うのかを決めます。

コンテンツ制作なら作成時間、リード育成ならMQL転換率や商談化率、分析ならレポート作成時間などを評価します。作業時間の削減とマーケティング成果は分けて確認します。

CRMデータの入力ルールを整える

セグメント、リードスコアリング、パーソナライズ、分析では、HubSpotに蓄積されたデータを使います。項目の空欄、表記揺れ、重複、更新漏れが多いと、対象者の分類や分析結果が不正確になります。

施策条件に使う項目は定義を統一し、誰が、いつ更新するかを部門間で共有します。すべての項目ではなく、セグメント、スコアリング、レポートで使う項目から優先して整えます。

AIに任せる範囲と人が確認する範囲を分ける

AIに任せやすいのは、下書き、要約、条件案、データ整理、レポート案の作成です。一方、施策の目的、ターゲット、ブランド表現、リード評価基準、公開可否、施策変更は、人が責任を持って決めます。

顧客へ送る文章や営業対応に関わる設定は、AIの出力をそのまま採用せず、確認者と承認手順を決めます。一斉配信やライフサイクルステージの変更など、後工程に影響する処理は、テストデータで挙動を確認してから公開します。

利用できるプラン・権限・設定を確認する

HubSpotのAI機能は、すべてのアカウントで同じように利用できるわけではありません。必要なHub、契約プラン、シート、ユーザー権限は機能ごとに異なり、一部の機能ではHubSpotクレジットを使用します。

AI機能へのアクセスや使用するデータソースは、HubSpotのAI設定で管理します。AI設定を変更するにはスーパー管理者権限が必要です。

導入前には、使いたい機能だけでなく、自社の契約内容、権限、データ共有方針を確認します。機能や利用条件は更新されるため、実装時点の管理画面とHubSpotのヘルプも確認します。

まとめ|HubSpotのAIは施策の設計と判断を支える

HubSpotのAIは、リード獲得ではコンテンツ作成や再利用、リード育成ではセグメント、スコアリング、パーソナライズ、ワークフローの設定を支援します。分析では、レポート作成や施策結果の要約に活用できます。

ただし、AIがマーケティング戦略や優先順位を代わりに決めるわけではありません。成果につなげるには、利用目的、CRMデータ、リード評価基準、確認体制を整える必要があります。

まずは、下書きやレポート要約など、目的と評価方法が明確な業務から始めましょう。利用結果を確認しながら対象範囲を広げることで、リード獲得から育成、分析までのマーケティングプロセスを改善しやすくなります。


シーサイドでは、MAを活用したマーケティングやAIツールの導入・活用にまつわる課題解決の実績も数多くございます。
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